若いうちに決める・決断するという経験が非常に大事

コミュニケーションが出来ない人とは

人に対して仕事が出来ない、コミュニケーションがうまくないというのは非常に苦手な自分である。

自分が仕事が出来ないことや人に物事を説明することが上手でないことを棚に上げているようで、「お前は何様だ?」という気分になるからだ。

 

また今いる会社の同僚や上司、あるいは後輩も非常に優秀な人が多いので、「こいつ仕事できねーな」なんていう感情を持つことなく仕事が出来ていた。

が、あるプロジェクトで一緒になった人は久々に声を大にして「コミュニケーションがひどい」と言いたくなった。

 

自分よりも一つ上のポジションで、主には実務の責任者としてそのプロジェクトに入っていた先輩(役職でいえば二つぐらい上になる)は非常に人のよさそうな方だった。

ただ、多方面から「ちょっとコミュニケーションがやばいかも」ということは聞いていたが、私はそんなことは当初感じていなかった。

 

元々前職でも同様の仕事をしてきており、ある程度のキャリアを積んでいる方ということもあり、「おお、なるほど」と納得をする説明もあった。

ただ、二人でミーティングを重ねるうちに気づいたが、この人は「決められない人」だった。今回のプロジェクトの留意点やクライアントの希望を踏まえて、調整したプロセスを決めることが出来ない。

 

決めることが出来ないというヤバさ

経験は積んできているので、それないに正論を語ることはできた。でも、そんな教科書通りの正論に進まないのが実際の仕事である。個々の事情に合わせて、クライアントの顔を見ながら、内部の損益管理も抱えながら、うまく関係者の合意を取り付けながら(場合によっては先を見通して目の前の損は目をつぶりながら)プロジェクトを進捗させる必要がある。

 

にもかかわらず、この人は「このプロジェクトではどうしたらよいか」という方針を決めることが出来ない。一般論としてはこうだ、ということを語れても、それは現場では全く何の意味も持たない。それらしいこと、を語っていてもすぐに化けの皮ははがれてしまう。一緒に働く人たちは、それを見抜けないほど、稚拙ではない。

 

自分の頭の中だけでもいいから決める

 

仕事において、常に意識しておきたいのは、決める=自分の意見を持つということであり、仮に自分の意見通りに進めることが出来なかったとしても、自分としてはこう思うということを考えておくことが重要だ。

 

上司と意見が異なって、上司の意見で仕事が進んだとしても、ずば抜けて優秀な人でなければ(あるは上司がずば抜けて仕事が出来ない人でなければ)、たいていは上司の意見が正しいことが多い。

 

自分よりも年上の人はそれなりの経験を積んできており、無意識のうちであったとしてもその経験に基づいて考えて決めているため、経験値に差のある自分の意見はどこか別の視点が抜けていたりする。

 

自分の意見を持っておけば、将来、「自分のあの時の意見はこれが足りなかった」ということに気づくことが出来、判断基準をブラッシュアップすることが出来る。でも考えがなかったとしたら、その気づきはないだろう。

 

話が少し連れてしまったが、「決められない人」は年齢を重ねて上の立場になってくるにつれて非常に苦しくなってくる。下に降格できる組織であればまだよいが、そうでない場合には組織全体に影響をしてしまう。

 

どのような個人のキャリアを考えるときでさえ、下のポジションにいて、「決める」ことが求められてはいないときから、練習を積んでおく必要がある。

 

結局、その上司には相談したところで何も決めてくれない(自分がこう思うという意見に対して何のフィードバックもない)ので、その人をスルーすることに決めてしまった。その方がプロジェクトがうまく回るならば仕方ないことだが、自分はこうならないようにと気を付けていきたい。

自己紹介

仕事内容

仕事はM&Aのアドバイザーの仕事をしています。

具体的には下記のようなことを通じて、企業の買収または売却、合併、事業の統合など、会社の変革をサポートする仕事です。

・買収先、売却先へのアプローチ

・買収スキームの策定

・入札プロセスの管理

・株式価値評価(Valuation)

デューデリジェンス(DD)

・株式譲渡や合併に関する交渉

 

上場企業による買収などでは、社会に与えるインパクトも大きく、非常にダイナミクスのある仕事です。買収計画の立案から実行まで短期間で行われることも多く、体力的にはタフであることが求められますが、やりがいのある仕事だと感じています。